昨今のギターアンプにおけるデジタル技術の進歩が著しく、サウンドの素晴らしさを私のブログでも取り上げさせていただきました。
(詳しくはコチラ:最先端なギターアンプ・アンプシミュレーターを紹介!デジタル系のマルチプロセッサーやメーカーこだわりのモデリングアンプの中からイチオシ機材を紹介します!)
この記事でも何種類か紹介しましたが、多くのモデルは一つのギターアンプで複数のギターアンプのサウンドを表現しましょう、というのがほとんどです。
今回紹介するFenderにおいても複数のギターアンプのサウンドをモデリングしたギターアンプは存在します。
しかし、今回の記事ではFenderにおいて定番であり、不変的な人気のギターアンプ「Twin Reverb」を再現した「TONE MASTERシリーズ」のTwin Reverbをご紹介します!
見た目や操作するツマミ、ギターケーブルのインプットなどはオリジナルと変わらないのですが、サウンドのみがオリジナルアンプの真空管サウンドをデジタル技術で再現しています。
Tone Masterシリーズは現在、Twin Reverbの他に「deluxe Reverb」、「Super Reverb」の3種類がラインナップされています。
オリジナルのTwin Reverbとの比較
まずはオリジナルのTwin ReverbとTone Master Twin Reverbの基本的なスペックを比較してみたいと思います!
Twin Reverb (オリジナル) | Tone Master Twin Reverb | |
---|---|---|
出力 | 85W | 85W |
スピーカー | Jensen C-12K | Jensen N-12k |
サイズ | 504.6(H)x673.1(W)x219(D)mm | 514.1(H)x664(W)x219(D)mm |
重量 | 29Kg | 15kg |
価格 | 約22~25万円 | 約13万円 |
出力はオリジナルと全く一緒ですね!
違いがあるとすれば、スピーカーが同じメーカーで違うタイプが付いています。
しかし、これはデジタルアンプとして最適なものを選び、軽量なものにしたからだと思います。
それに12インチという大きさは変わりません。
次にサイズですが、縦(H)と横(W)に若干の違い(1cmくらい)はありますが、これもほぼ一緒ですね。
一番驚くのはやっぱり重量ですね!
オリジナルは約30Kgあるのに対し、Tone Master TwinReverbは約半分の15Kgしかありません!
オリジナルは持ち上げるのに両手でしっかりと持ち上げなければなりません。
下手をすると腰をやってしまう重さです(-_-;)
しかし、Tone Master Twin Reverbは片手でもなんとか持ててしまいます!
さすがに15Kgがめちゃくちゃ軽いかと言われたらそうではないですが、それでもオリジナルから考えたら衝撃的な軽さです。
価格も10万円代前半で購入できます!
こちらもオリジナルの役半分ですね。
オリジナルは真空管なので、長く使用することを考えた場合に当然メンテナンスは欠かせません。
真空管は消耗品ですからね。
これにかかる費用もランニングコストととして考えなくてはなりません。
でもTone Master Twin Reverbはトランジスタなので、ほぼメンテナンスフリーなアンプです!
真空管アンプほどデリケートに扱わなくても大丈夫なので、持ち運びが多い場合にも安心して持っていけます。
オリジナルのTwin Reverbとの共通点
Twin Reverbというだけあり、操作系やインプット、内蔵のエフェクトは共通しています。
左側にNORMALチャンネル、右側にVIBRATOチャンネルというオリジナルと全く同じの仕様です。
それぞれにインプット1とインプット2、BRIGHTスイッチがあります。
リバーブとトレモロを使いたい場合はVIBRATOチャンネルに繋ぎます。
使わない場合はどちらでも同じですね。
因みにインプット1とインプット2の違いはハイインピーダンスを受けるか、ローインピーダンスを受けるかの違いです。
インピーダンスの説明はとてもマニアックな話になるため、また別の機会に改めてお話しできればと思いますが、ギターから直接アンプに挿す場合は1、エフェクターを使用する場合や電池を入れるタイプのギターは2と思ってくださいね!
本体の両脇についている金具は引き出すことによりアンプ本体を斜め置きにできるスタンドになります。
これもオリジナルと同様の装備です。
本体のエフェクトのオンオフを操作できるフットスイッチも付属しています。
デザインはオリジナルは丸いですが、これは四角いです。
Tone Masterのみの機能
Tone Masterはデジタルアンプなので、真空管アンプにはない便利な機能が装備されています!
オリジナルは真空管アンプであるため、電源とスタンバイスイッチがありますが、Tone Master Twin Reverbにはスタンバイスイッチはありません。
代わりにミュートスイッチが付いているため、電源を入れたままミュートにすることで、シールドの抜き差しがヴォリュームを下げることなくできるというワケです。
電源を入れると光るライトはミュート状態にすると赤からオレンジに変わります。
続いてはアッテネート機能です。
これはどんな機能かというと、入力している電気信号はそのままに出力する信号を減らしてくれる機能です。
このアンプは85Wも出力があるため、そのまま家で弾いてしまうと非常に大きな音が出てしまいます。
だからといってボリュームを絞ってしまうと音がイマイチになってしまう…なんてことになるのですが、このアッテネートのスイッチを切り替えることで、ボリュームを上げたまま音を小さくすることができるんです!
家で鳴らしたい場合は非常に役立つ機能ですよ!
このアッテネート機能はライブに向けた音作りにも実は便利なんです!
オリジナルのTwin Reverbは歪まないクリーンが美しいアンプです。
ですが、真空管アンプなので、ボリュームを上げていけば歪みを得ることができます。
でも歪む頃には音がめちゃくちゃ大きくてバンドではただの迷惑になってしまいます。
そんな時にこのアッテネート機能の出番です!
わざと出力を22Wなどに落として、ボリュームを上げていくと良い感じに歪んでくれるんです!
アンプである程度歪みを作りたい場合があると思うんです。
そんな時にはこの機能を使えば再現できるので、実に音作りの幅が広がると感じました。
オリジナルのTwin Reverbや他の真空管アンプでも別途アッテネーターという機材を準備すれば再現はできてしまうんですが、アッテネーターは音痩せが激しいものもあるため、吟味して購入しないといけない機材なので、ご注意くださいね!
この辺のお話しも後々できたらなと思います!
話しを戻しまして、ラインアウトとキャビネットシミュレーターの機能を紹介します。
XLR端子がついているため、宅録に活用ができます。
そしてキャビネットシミュレーターですが、これはスピーカーのマイクどりの状況を再現します。
Shure SM57とSennheiser MD421という有名なマイクでのサウンドを表現しています。
また、ミュートスイッチはアンプから音がでなくなっても、ラインアウトからは出力できるので、これも宅録を気兼ねなくできる良いポイントです。
また、オリジナルのTwin Reverbについている外部スピーカーと接続する端子はついていません。
この機能が欲しい方は注意が必要になります。
このアンプにはファームウェアをアップデートするためのUSB端子もパネルの下側についています。
基本的な音は変わっていかないようですが、エフェクトのかかり具合などがアップデートされたりしているようです。
肝心の音は?弾いてみた感想
いろいろな機能を話してきましたが、肝心の音について触れていきます。
Twin Reverbといえば、どこまでも美しいクリーンサウンドですよね!
実際に私もこのクリーンが好きでこのアンプを選びました。
このアンプの音を聴いたときに思ったのは、とても自然できれいな音がするアンプだなと感じました。
オリジナルと弾き比べたわけではないので詳細な感想をお伝え出来ないことは申し訳ないのですが、正直、違和感はありませんでした。
ただ、真空管アンプのもつ、あのガラスのようなキラキラした張りのあるサウンドには今一つ足りないのではないかと感じました。
ギターを鳴らした瞬間のアタック音やレスポンスも少し弱いかもしれません。
ですが、各EQの効き具合、ボリュームを上げたときのTwin Reverbらしい音は実にそれらしいと感じました。
この辺りは聞く人によりけりで、私も目隠しをしてどちらがどのアンプか当てれる自信があるかと言われたら、全くありません(笑)
それくらい違和感がないんです。
このアンプのライバルはRolandのJC-120になるかなと思います。
しかし、個人的にはJC-120の音っていかにもトランジスタという感じなんですよね。
対してこちらのTone Master Twin Reverbは真空管らしが出せます。
なので、私は断然Tone Master Twin Reverbをオススメします!
(JC-120のファンの皆さん、スミマセン…)
内蔵のエフェクトもとてもいいですね!
Reverbはオリジナルのスプリングリバーブっぽさを十分に感じれる音ですね!
これは本当に美しいです。
トレモロもとても自然で効きがいいです。
フットスイッチを使用すれば使いたいときにエフェクトを掛けられるので、これもナイスです。
また、エフェクターのノリもとてもいいです。
歪みもエフェクター本来の音がするといった感じで鳴ってくれます。
ブースター系のエフェクターを使用すると非常に真空アンプらしくなるため、オススメですよ!
残念なポイント
私が感じたTone Master Twin Reverbの残念なポイントもお話ししていきます。
まず、先ほどもお話ししましたが、真空管アンプのパワー感や、キラキラした張りのあるサウンドには今一歩及ばないと感じています。
これは仕方がないと言えば仕方がないものなのですが、真空管アンプのパワー感を求めている方はよく試奏して決めていただければと思います。
次に、これは私の希望でもありますが、アンプにSEND/RETURNの端子も付いていたら良かったなと思います。
これがあればエフェクターを繋げるバリエーションや音作りがさらに広がったのでは?と感じています。
せっかくのデジタルアンプですからね。
この二つが残念と感じてはいますが、不満ではありません。
音については本当に素晴らしいですし、なにより軽いですから!
最後に
デジタルギターアンプのなかでもひとつのアンプの再現にこだわったTone Masterシリーズ。
そのなかでもFenderのギターアンプの代名詞的な存在であるTwin Reverbをレビュー、解説してみました!
総評としては本当にオリジナルを見た目、音ともに忠実に再現しているなと感じています。
真空管アンプに比べたらどうかと書いてきましたが、かなり似たサウンドであることは間違いないと思います。
それに、スピーカーやパイン材で作られたアンプ本体は使うほどにエイジングされて音に変化が出てくると思うので、これも楽しみです!
このアンプが気になっている方は結構多いのではないかと思います。
私個人としては、タイトルにもある通り、購入して正解だったなと満足しています。
音が良い、軽い、メンテナンスフリーと大きなメリットが3つもあるのが本当に素晴らしいです!
ぜひ購入の際の参考にして頂ければと思います。
皆様の素敵なギターライフを願っております。
最後まで読んでいただきありがとうございました(^^♪
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